中東マネー、チャイナマネーの流入

イスラム教徒が多いマレーシアは、2001年以降、イスラム法に則って発行されてきたスクーク債(イスラム債)で世界シェアの半分を占め、イスラム金融の先進国・中心国の地位を築いており、特に9・11の同時テロ以降は米国に流れていた潤沢な中東のオイルマネーが流入する拠点となっています。
さらにシンガポール同様、総人口のうち中国系が占める割合が他の東南アジア諸国に比べて高いマレーシアは、世界を席巻するチャイナマネーの受け皿の一つとなっており、ナジブ・マレーシア首相も最大の貿易相手国となる中国との関係強化に積極的な姿勢を取っています。
近年、 中国では不動産価格の高騰を受け、政府が本格的に抑制政策を打ち出したことで、国内不動産市場に滞留していたチャイナマネーの矛先は海外 に向かっています。

マレーシアが2006年頃から国内不動産市場を活性化させるために規制を緩和し、東南アジア諸国では唯一、国外の外国人でもコンドミニアム・土地付戸建てなど様々な居住用不動産を幾つでも購入し、自分の名義で登記できる国であること、中国系が多く華僑ネットワークが存在すること、法体系が整った旧英国の植民地というチャイナマネーが好む条件を持ち合わせていること、香港やシンガポール、オーストラリアとは対照的に不動産価格の上昇余地が大きいこと等から、チャイナマネーが加速度的に流入し始めています。
また、国家間の共同プロジェクト等に伴う隣国シンガポールからの投資も少なくないなど、こうした海外からの資金循環構造がマレーシアの成長を活性化させる一因となっています。

マレーシア不動産 チャイナマネーやオイルマネーが流入

30年近く前に製造業からスタートとしたマレーシアへの日系企業進出の動きが、近年では金融など非製造業にも広がっています。2015年12月時点のジェトロ・クアラルンプールによる調査では、1456社の日系企業がマレーシアに進出しており、その中には電気大手、自動車大手、医薬品大手、商社大手、カメラ大手、銀行大手などが含まれています。
堅調かつ将来性が高いマレーシア経済を重要なマーケットの一つとし、銀行大手など金融部門の対マレーシア投資の増加も目立っています。

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