中東マネー、チャイナマネーの流入
イスラム教徒が多いマレーシアは、イスラム法に則って発行されるスクーク債(イスラム債)で世界シェアの半分以上を占めるなど、イスラム金融における中心的な地位を築いており、潤沢な中東のオイルマネーが流入してきています。
また、シンガポール同様、総人口のうち中国系が占める割合が比較的高く、華僑ネットワークが存在するマレーシアは、世界を席巻するチャイナマネーの受け皿のひとつとなっています。
伝統的に不動産熱の高い中国ですが、近年は国内不動産価格の高騰を受けて、政府が投機抑制策に本腰を入れていることから、海外の不動産市場に投資先を求める傾向は強まってきています。そうした中、マレーシアは東南アジアでは唯一、国外居住の外国人であっても、コンドミニアム、土地付き一戸建て住宅ともに自分の名義でいくつでも登記できることから、中国人にとって人気の投資先のひとつとなっています。
加えて、香港やシンガポール、オーストラリアといった以前から中国人に人気のエリアの不動産価格が非常に高額となっている一方、マレーシアは中心部であっても比較的手頃な価格で購入できることも、人気を後押ししていると考えられます。
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